広川町(ひろがわちょう)に伝わる「稲むらの火」の故事から、去年(2015年)国連で11月5日が「世界津波の日」に制定されたことにあわせ、和歌山県の内外では大規模な避難訓練や、高校生の国際交流サミットなどが行われます。
「世界津波の日」は、広川町の偉人・濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)の「稲むらの火」の故事を国際的な津波防災意識の向上につなげようと、和歌山県選出で自民党の二階俊博(にかい・としひろ)幹事長が提唱し、去年12月、国連で制定されました。
まもなく制定後初の11月5日を迎えることから、県では来月(11月)4日の午前10時から、県内全域の41万人あまりを対象に国などと連携した地震・津波避難訓練を行います。
また有田市(ありだし)の東燃ゼネラル石油では、4日の午後、石油コンビナートでの防災訓練が200人規模で行われるほか、5日には、広川町で濱口梧陵をしのぶ「津浪祭(つなみまつり)」や、内閣府と連携した津波避難訓練が行われます。
一方、来月24日には、世界16か国・およそ150人の高校生が広川町の「稲むらの火の館」などを訪れ、防災や避難訓練の大切さを学ぶほか、翌25日からは、南海トラフ巨大地震で国内最高の34メートルの津波が予想されている高知県黒潮町(くろしおちょう)で「世界津波の日 高校生サミット」が開かれ、御坊市(ごぼうし)の県立日高高校の生徒を含む世界29カ国・およそ250人の高校生が、英語で津波防災のあり方を話し合います。
仁坂吉伸知事は「津波への備えや避難の大切さを和歌山から発信し、教育につなげる機会になる」と話し、意義を強調しました。