和歌山市小倉(おぐら)にある和歌山県工業技術センターの創立100周年記念式典が、きょう(20日)開かれ、県内の産官学の関係者らおよそ70人が参加し、テープカットで祝福しました。
県・工業技術センターは、100年前の1916年(大正5年)4月、和歌山市本町(ほんまち)に創設された「工業試験場」が母体で、その後、1939年(昭和14年)に和歌山市宇須(うず)へ、1967年(昭和42年)に現在の小倉へ移転し、1989年(平成元年)に「工業技術センター」となりました。
主に県内の中小企業の振興や技術の発展に寄与する地域産業の中核拠点として機能しています。
県では、先月(4月)創立100周年を迎えた事を機に、国の地方創生交付金を活用して最新の機器11機種を導入し、海外でも高く評価される県内のものづくり産業への支援をアピールしようと、きょう、記念式典を開いたものです。
午前10時半から、センター本館1階で開かれた記念式典で、仁坂吉伸知事が「最新の機器をたくさん導入出来た。是非多くの企業に活用して欲しい」と挨拶しました。
また、来賓として出席した和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は「和歌山市の総合戦略には産業振興も含まれ、雇用や人口を増やすための重要な使命だ」と述べ、センターとの連携強化を強調しました。
このあと、センターの和坂貞雄(わさか・さだお)所長が仁坂知事や尾花市長らを案内し、最新鋭の非破壊検査装置や、3Dプリンターなどの実演を交えて説明しました。
和坂所長は、今後の抱負について「大事な節目の100年を迎えたいまは、中小企業もこれから優れた技術を持って世界に売り出すチャンスととらえている。大企業ではやりにくい他品種少量生産といった分野で県内企業が切り込めるよう、我々も対応したい」と話しています。