銀行に来店した女性が不自然な現金の引き出しをしようとしていることに気づき、特殊詐欺被害を未然に防いだとして、和歌山西警察署は、きょう(26日)、銀行員の女性2人に感謝状を贈呈しました。
感謝状が贈られたのは、紀陽銀行本部営業統括部の千旦晶美(せんだ・あきみ)さん40歳と、屋形(やかた)支店窓口係の山添円花(やまぞえ・まどか)さん23歳の2人です。
山添さんは、先月(3月)16日午後、和歌山市に住む78歳の女性に振込み用紙の記入方法を聞かれたため理由を尋ねたところ、「通帳のお金を全部出してきてと言われた。
支店長には言わないでと言われた」と話したため、不審に思い、上司の千旦さんに報告しました。
千旦さんが詳しく話を聞くと、百貨店と全国銀行協会をかたる人物から「不正にカードが使われている、通帳に20万円を残してあとの180万円を現金で引き出すように」という内容の電話があったと話したため、特殊詐欺の可能性が高いとみて「高齢者による高額な現金出金時の全件110番通報制度」に基づき、警察に通報しました。
和歌山西警察署の江南拓哉(えなみ・たくや)署長から感謝状を贈られた千旦さんは「お客様が頼ってくれたことが地域に密着した銀行として意義があると思う。またそれ以上に、新入行員の成長が嬉しい」と後輩を称えました。
また、山添さんは「特殊詐欺を防げたことが銀行にとっても私たちにとっても大変名誉なこと」とほっとした様子で話しました。
和歌山県警察本部の「高齢者による高額な現金出金時の全件110番通報制度」は、高齢者の特殊詐欺の被害を防止しようと、きょねん(2015年)5月に開始された制度で、先月末までの9ヶ月間で1187件の通報があり、この内、未然防止につながったのは14件、およそ3800万円となっています。