土地取引の算定基準となる、和歌山県内のことし(2016年)の公示地価がきょう(22日)公表され、住宅地・商業地とも25年連続で下落しましたが、下落率は5年連続で縮小し、和歌山市と岩出市では商業地の価格が上昇に転じたことがわかりました。
これは、国土交通省の土地鑑定委員会が、ことし1月1日現在の県内174か所の地価を調査したものです。
それによりますと、平均変動率は、住宅地は去年より0・6ポイント縮小してマイナス2%、商業地は去年より0・8ポイント縮小してマイナス1・3%となり、下落幅はいずれも5年連続で縮小しています。
住宅地では、和歌山市中心部や有田川町(ありだがわちょう)、それに田辺市、上富田町(かみとんだちょう)、白浜町(しらはまちょう)の高台など13カ所で価格が上昇しているほか、和歌山市と岩出市の2カ所で横ばいとなるなど、交通の便が良い場所や大型商業施設の近く、それに津波のリスクが低い高台で上昇しています。
最高値は7年連続で、日赤和歌山医療センター北側の住宅地・和歌山市芝ノ丁(しばのちょう)21番で、去年より2千円高い1平方メートルあたり14万8千円でした。
商業地は、和歌山市では25年ぶりに、岩出市では1995年の公示地点の設定から初めて上昇に転じ、去年よりも10カ所多い19地点で価格が上昇しました。
最高値は17年連続で、ミナカタビルの建つ和歌山市友田町(ともだちょう)5丁目50番で、1平方メートルあたりの価格は、去年と変わらず43万8千円です。
工業地は、和歌山市内3か所で下落率が去年より2・6ポイント縮小し2・8%となりました。
県・地域政策課は「全体的に下落率が縮小し、住宅地・商業地とも利便性の高い地域や高台などで上昇傾向が見られるが、過疎地域や海沿いの低い土地などで需要が弱く、商業地でも、郊外型店舗への客の流出や、高速道路の通過点などでは引き続き下落傾向にある」とコメントしています。