南紀白浜空港の活性化を検討している和歌山県は、国際線ターミナルビルの設計や、運営の外部委託などの準備費用として、初年度となる新年度予算案(2016年度)に3800万円あまりを計上しています。
1996年に現在の位置に移転して20年を迎える南紀白浜空港には、東京の羽田を結ぶ定期便が1日3往復発着し、去年(2015年)はおよそ12万7千人が利用しています。
しかし、近年、日本を訪れる外国人観光客やビジネス客が増える一方で、南紀白浜空港には通関や入国審査などに対応できる国際線ターミナル機能が無いことから、海外の航空会社への誘致活動が展開しにくい状況になっているとして、県は、新年度から国際線ターミナルビルを設置するための基本設計を行うことにしたものです。
これに伴い、県では、国際線ターミナルの運営を効率的に行う必要があるとして、既に、関西国際空港や仙台空港で行われる予定の国際便の誘致やターミナルビルの管理・運営を民間に委託する「コンセッション方式」を導入して、海外の航空会社や旅行会社などに南紀白浜空港の新たな利点をアピールしたい考えです。
和歌山県の仁坂吉伸知事は「国際線と国内線を分ける環境整備を行い、会社力の高い企業が中に入れば、より効果的に誘致出来る」と話しています。