強制わいせつ事件の参考人として警察に事情を聴かれた際に、夫との夫婦生活をしつこく尋ねられ精神的苦痛を受けたとして、女性が和歌山県に損害賠償を求めた裁判で、大阪高等裁判所はきょう(18日)、賠償を命じた1審判決を破棄し、女性の訴えを退けました。
30代の女性は、2012年1月に夫が強制わいせつの疑いで警察に逮捕され、参考人として任意で事情を聴かれた際、捜査を担当する警察官から夫との夫婦生活をしつこく聴かれました。
夫はのちに不起訴となりましたが、女性は夫との夫婦生活を執拗に尋ねられたことで精神的苦痛を受けたとして、和歌山県に損害賠償を求めていました。
1審の大阪地方裁判所は去年12月、事情聴取の仕方について「女性へ性的羞恥心を不当に与え、社会的な相当性を逸脱しており違法だ」として、県に11万円の支払いを命じました。
しかし、きょうの判決で、大阪高裁の佐村浩之裁判長は1審の尾坂地裁の判決を破棄し、女性の訴えを退けました。