津波や高潮などの防災や減災に関して顕著な功績を挙げた個人や団体を表彰する、今年度(2019年度)の「濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)国際賞」を受賞した2人の研究者が、きょう(11月1日)梧陵のふるさと・広川町(ひろがわちょう)を訪れました。
濱口梧陵国際賞は2015年の国連総会で11月5日が「世界津波の日」に制定されたことを受け、国土交通省が翌2016年に創設した国際的な賞です。
4回目となる今年度は、40年以上にわたって津波や高潮、高波による沿岸の被災を解明する研究に尽力し、2010年のチリ津波や2011年の東日本大震災などで調査隊長を務めた、早稲田大学教授で横浜国立大学名誉教授の柴山知也(しばやま・ともや)さんと、トルコの中東工科大学教授で、数十におよぶ国際プロジェクトを通じて津波の数値解析や対策などで貢献したアーメット・ゼウデット・ヤルシナーさんが濱口梧陵国際賞を受賞しました。
2人は、きのう(10月31日)から串本町や広川町などを訪れ、津波避難路や広村堤防(ひろむらていぼう)などを見学したほか、きょう午後には稲むらの火の館を訪れ、崎山光一(さきやま・こういち)館長から展示史料の説明を受けたほか、広川町の西岡利記(にしおか・としき)町長と和歌山県の酒井清崇(さかい・きよたか)危機管理局長から記念品を受け取りました。
柴山教授は「国連では誰も取り残されない防災が重要視されていて、広川町ではこれが実践的に取り組んでいる。今後、このような地域の動きを研究に採り入れたい」とあいさつしました。アーメット教授は「私は稲むらの火の逸話を本国トルコに紹介し、津波避難の重要性を啓発しました。和歌山の様々な津波防災設備を見せて下さった多くの関係者に感謝します」と話していました。