和歌山市は、今月13日に開会する6月定例議会に、南海和歌山市駅前に2年後の開館を目指す新しい市民図書館の管理運営を民間に委託できるようにする条例改正案を提出します。
これは、新しい市民図書館に「指定管理者制度」を導入してサービスの幅を拡大するためで、導入が決まれば、県内の公立図書館ではじめてとなります。
和歌山市が現在、和歌山市湊本町(みなとほんまち)で運営している市民図書館については、これまでアンケートなどを通して市民から「開館時間が短い」「くつろげる空間がほしい」などの声が聞かれました。このため、新しい市民図書館の開設に向けて「和歌山市民図書館条例」の一部を改正し、管理運営を民間に委託することでサービスの幅を広げるとともに、運営の効率化でコストの削減を図ることにしたものです。
市民図書館の担当者によりますと、新しい市民図書館では、開館時間を現在の年間2800時間からおよそ1・5倍の4000時間以上にするほか、蔵書を現在の44万冊から60万冊に増やし、カフェも併設する予定です。条例の改正案が6月議会で承認されれば、和歌山市は夏ごろから指定管理者を公募、選定し、12月議会に諮る方針です。
新しい市民図書館について尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は、きのう(5日)の定例会見で「単に本を読む場所ではなく、市民のニーズに応えられる施設にするためには民間のノウハウが必要だ。にぎわいを生み、市民が利用しやすい図書館にしたい」と話しました。
新しい市民図書館は、南海和歌山市駅前の再開発事業で建設される「公益施設棟」に、子育て支援施設などとともに入る計画で、来年(2018年)7月に着工し、2年後の2019年10月にオープンする予定です。