和歌山労働局はきょう(8日)、「働き方改革」に取り組んでいる和歌山市に本社のある電子基板メーカー太洋工業を訪問し、取り組みの状況を視察しました。
これは、過労による自殺などが社会問題となる中、11月の「過労死防止月間」にあわせて、働き方の改革を進めている企業を和歌山労働局がはじめて訪問したものです。
太洋工業は、2009年から本格的に時間外労働の削減や女性社員の活躍を推進する取り組みを進めていて、2013年度には、仕事と子育てなどを両立でき、多様な働き方を選択できる取り組みが認められた企業に贈られる「均等・両立推進企業表彰」を受賞しました。
きょう午前10時に和歌山労働局の幹部ら5人が和歌山市有本の太洋工業本社を訪れ、担当者から会議は座らず立ったまま行い、午後5時以降には会議を開かないといった会議ルールや、ノー残業デーの増設、有給休暇の取得を促す取り組みとその成果について説明を聞きました。また、女性社員8人で立ち上げたWin‐Win(ウィンウィン)プロジェクトも紹介され、育児休業制度の充実で女性の勤続年数が4年以上伸びた成果なども報告されました。この後、太洋工業の工場内を見学し、ノー残業デーを啓発するポスターや清潔に管理された設備の様子を視察しました。
和歌山労働局・労働基準部の槙野順三(まきの・じゅんぞう)部長は「県内の企業の中でも太洋工業は先進的な取り組みで実績を上げている。視察を通して、各社員が自覚を持って取り組んでいることを感じたので県内の他の企業にも知ってもらいたい」と話していました。太洋工業の細江美則(ほそえ・よしのり)社長は「様々な仕事内容がある中、うまくバランスをとって社員が明るく働ける職場を目指したい」と話していました。