最先端の技術を駆使して開発された電動車いすなどを用いた障害者による世界的な競技大会「サイバスロン」に出場した和歌山大学の研究チームが世界第4位に入賞し、その報告会が、きょう(8日)栄谷(さかえだに)キャンパスで行われました。
これは、ロボット工学が専門で和歌山大学システム工学部の中嶋秀朗(なかじま・しゅうろう)教授と学生らの研究チーム「RT―Movers(アールティー・ムーバーズ)」が、県内の大手企業や大学関係者、県・工業技術センターなどの協力を得て競技用の電動車いすを開発し、先月(10月)8日にスイスで初めて開かれた「サイバスロン」に日本の大学として唯一出場し、予選を勝ち抜いて決勝に進出しました。
決勝では、北京パラリンピック・車いす陸上金メダリストの伊藤智也(いとう・ともや)さんが電動車いすを操縦して、スラロームや坂道、階段など、通常の車いすでは通行が難しい障害物をすべて乗り越え、312秒のタイムで完走し、惜しくもメダルは逃しましたが、初出場で世界第4位の好成績をおさめました。
きょうの結果報告会で中嶋教授は「タイムでは他国に差を付けられたが、階段や段差を乗り越える際の車いす側の自律制御性やパイロットの姿勢の安定性の面では、我々に分(ぶ)があったのではないか」と総括した一方で「機体を操作するのは人間なので、障害者同士の真剣勝負に人々が感動を覚えることを確信した」と語り、サイバスロン競技の発展に期待を寄せました。