2011年9月の紀伊半島豪雨から5年になるのを前に、きょう(20日)奈良県十津川村で、犠牲者を追悼する慰霊祭が行われました。
紀伊半島豪雨の死者・行方不明者は、和歌山・奈良・三重の3つの県で合わせて88人を数えますが、このうち十津川村では12人に上りました。
慰霊祭は、1889年8月に起きた大水害の死者を悼むため、毎年この時期に行われていて、2012年からは紀伊半島豪雨の犠牲者も追悼するようになっています。
きょう(20日)の慰霊祭では、初めにおよそ200人の参列者が黙とうし、献花台に花を手向けました。そして十津川村の更谷慈禧(さらたに・よしき)村長が「復興に向けて村民と一致団結して希望ある街づくりをすることは、亡くなった人たちへの慰めになる」と挨拶しました。
豪雨で両親を亡くした奈良県葛城市の53歳の男性は、慰霊祭修了後「村は復興したが、自分の気持ちはあの日のまま変わらない。風化してほしくない」と話していました。一方、慰霊祭に参列した地元の74歳の男性は、報道陣の取材に対して「5年が経つのは早かった。村には山が崩れた場所がまだ残っていて、元通りにはなっていない所もある」と話しました。
また慰霊祭では、例年、遺族代表の言葉がありましたが、十津川村によりますと「重い話になるので、無理にお願いできない」などの理由で、今年は見送られました。