先月、神奈川県相模原市の障害者施設で起きた殺傷事件を受けて、きょう(18日)海南市の障害者施設で、夜間に不審者が侵入したことを想定した訓練が行われました。
施設の職員に防犯への意識を高めてもらおうというこの訓練は、知的障害のある人が入所している「太陽の丘」と海南警察署が管内で初めて行ったものです。
きょう午後3時半から海南市上谷(かみだに)の「太陽の丘」で行われた訓練には施設の職員と海南警察署の警察官らあわせておよそ20人が参加しました。
訓練は、夜間の宿直勤務体制中の施設内にナイフを持った男が侵入したという想定で行われました。訓練では、不審な男に気づいた巡回中の職員が、非常ベルを鳴らすとともに110番通報し、駆け付けたほかの職員と一緒に警察官が到着するまでナイフを振り回す男に刺又(さすまた)で応戦しました。そして駆け付けた警察官が加わり男を刺又で抑え込んで現行犯逮捕しました。
訓練を終えて「太陽の丘」の土井邦夫(どい・くにお)施設長は「夜間でも職員がいるので安全かと思っていたが事件を受けて、もしもの時を想定することが必要だと感じました。入所者は不審だと分からず近づいてしまうかもしれないところが心配です。入所者の命を守ることを第一に備えたい」と話していました。
海南警察署・生活安全刑事課の大東信哉(おおひがし・しんや)課長は「不審に思えば躊躇せずすぐに110番通報し、訓練を積み重ねて施設の防犯環境を見直してほしい」と話していました。
「太陽の丘」では今後、防犯マニュアルを作成したり施設内に刺又を設置して対策を強化することにしています。