湯浅・広川両町の間を流れる広川(ひろかわ)の河口付近で、江戸時代から続く伝統の「四つ手網(よつであみ)」を使ったシロウオ漁が行われています。
産卵のために川を遡(さかのぼ)るシロウオをすくい取るもので、毎年2月中旬から3月下旬ごろまで行われる春の風物詩となっています。
シロウオは体長5センチ前後のハゼの仲間で、うろこがなく、透き通った体が特徴です。
漁は、川岸に組んだ高さ2メートルほどの櫓(やぐら)に、漁師が乗り、四方を竹竿にくくりつけた四角い網を、川底に設置した白い目印の上に沈め、シロウオが通るのを目視し、タイミングを計って引き上げ、網の上のシロウオをひしゃくですくい取ります。
こうして獲られたシロウオは、地元の飲食店に売られ、生きたまま食べる躍り食いや炊き込みご飯の具材として、この時期だけの春の味覚となっています。
シロウオの四つ手網漁は、江戸時代から続く伝統の漁ですが、獲れる量が少なく、効率はよくありません。しかし、獲りすぎることがなく、自然を大切にしながら、旬の恵みをいただくという、先人の思いが生きているとして、続けられています。
このシロウオ漁を知ってもらい、シロウオを味わってもらおうというイベント「シロウオまつり」が、今月(3月)13日午前10時から午後2時まで、湯浅町の島之内(しまのうち)商店街や河口の広橋(ひろばし)周辺で開かれ、おどり食い体験やシロウオすくいのほか、シロウオ料理の販売も行われます。