熊野地方に春を呼ぶといわれる「お灯(とう)まつり」がきのう(6日)、新宮市の世界遺産、神倉(かみくら)神社で行われ、白装束の男衆およそ2400人が、燃え盛るたいまつを手に、急な石段を駆け下りました。
お灯まつりは、およそ1400年の歴史がある伝統のまつりで、昨夜は、「上(あが)り子」と呼ばれる腰に荒縄を巻き、わらじを履いた白装束の男衆が、家内安全などの願い事を書いたたいまつを持って、石段の参道を登り、神倉神社の境内に集まりました。そして、神事のあと、午後8時ごろ、たいまつに火がつけられ、山門が開くと、およそ2400人の男たちが燃え盛るたいまつを手に「ウォー」という雄叫(おたけ)びを上げながら、急な石段を一気に駆け下り、暗闇に勇壮な炎の筋を描きました。
一方、山の麓では、上り子の家族や観光客が大勢詰めかけ、勇ましい男衆に大きな声援を送っていました。
神倉神社は、熊野三山の一つ、熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)と縁が深く、「お灯まつりは」は、毎年2月6日に行われる女人禁制の行事として知られています。