今月(1月)26日の「文化財防火デー」を前に、和歌山市の紀三井寺(きみいでら)で、きょう(22日)総合消防訓練が行われました。
和歌山市消防局が市内の神社や寺、和歌山城などで毎年行っているもので、今回で56回目です。
訓練は、境内にある松下講堂の厨房から火が出て本堂や付近の山林に延焼し、寺の自衛消防隊員1人がケガをしたという想定で行われました。
午前10時から行われた訓練には、和歌山市消防局や、地元・名草(なぐさ)地区の消防団、それに寺の自衛消防隊員らおよそ40人が参加しました。
自衛消防隊が出火場所を確認して消防に通報し、宝物(ほうもつ)を搬出する訓練や、参拝客の避難誘導をしました。
また、本堂脇の貯水槽絵にポンプで水をくみ上げ、山林に向かって放水したほか、消火活動でけがをした自衛消防隊員を本堂から救出する訓練をしました。
きょうの訓練の意義について、和歌山市消防局の出口博一(でぐち・ひろかず)局長は「消防機関だけでなく、寺社や市民が一体となって、貴重な文化財を守る意識を高めるために重要だ」と話しています。
また、紀三井寺の前田泰道(まえだ・たいどう)副住職は「文化財を後世に守り伝えることも寺の使命です。どうして参拝者や文化財を守るかを日頃から考えることが大切です」と話していました。