和歌山県出身の国会議員が一堂に会してこれからの日本や和歌山県について語り合う和歌山放送新春恒例の「和歌山県出身国会議員座談会」が、きょう(1/9)、行われ、与野党の6人の県出身国会議員がそろって出演しました。
座談会は、和歌山放送第一スタジオで午後1時半から2時間にわたって行われ、和歌山県出身の4人の衆議院議員と、2人の参議院議員のあわせて6人の国会議員が、今年夏の参議院議員選挙をはじめ、景気の行方やアベノミクスの効果、和歌山県への提言などについて、それぞれの考えを語りました。
アベノミクスの効果を問われた参議院和歌山県選挙区選出で、内閣官房副長官の世耕弘成(せこう・ひろしげ)参議院議員は、「有効求人倍率が上昇するなど、効果は出ているが、340兆円にのぼる大企業の内部留保をいかにして設備投資に回させるかなど課題はある。企業の地方移転を進めることも大事で、そのために、まずは中央省庁の機能の一部を地方に移転していく。和歌山県は総務省の統計局を誘致するべく手を挙げてくれている」と述べました。
これについて、衆議院和歌山3区選出で、自民党総務会長の二階俊博(にかい・としひろ)衆議院議員は、「統計局移転の話は、与党も野党もなく、一緒になって確実にやっていこう」と呼びかけ、衆議院和歌山1区選出で、民主党・ネクスト農林水産大臣の岸本周平(きしもと・しゅうへい)衆議院議員も「賛成です」と応じ、きょう和歌山放送に出演した6人の国会議員が、今後、そろって総務省統計局の和歌山県への移転に向けて取り組むことを確認しました。
また、夏に予定されている参議院議員選挙に関連して、衆議院との同日選挙が取りざたされていることについて、二階・自民党総務会長は、「災害が発生した場合に備えられないため、私は、本来、同日選挙には反対だ。同日で勢いをつけてやっていこうという人もいるが、参議院に対しても失礼だ」と述べました。
また、参議院選挙での野党による統一候補の可能性について、民主党の岸本衆議院議員は、「野党再編の知恵がなかなか出てこない中で、強い与党と戦うために、野党が候補者を絞るのは正しい。主義主張の違う人と手を組めるかどうかわからないが、可能性は十分あると思う」と述べました。
このほか、番組では、和歌山県への提言として衆議院和歌山2区選出で、自民党税制調査会幹事の石田真敏(いしだ・まさとし)衆議院議員が、「時間と空間を飛び越える時代に、何を世界に売れるかを考えて取り組む必要があり、和歌山県が、地域の事業者に対し、そうした情報を伝えることも大切だ。観光については、広域で取り組むことで、投資効果を上げることができる」と指摘しました。
参議院和歌山県選挙区選出で、自民党の参議院政策審議会長の鶴保庸介(つるほ・ようすけ)参議院議員は、「和歌山県の主要産業である観光を進める上で、宿泊施設の確保は大きな課題で、既存の旅館が損をしないように民泊を進める必要がある。そのためにも、空き家になっている住宅の規制を緩和し、民泊ができるような整備を進めていく」と述べました。
また、衆議院・近畿比例選出で、自民党国土交通部会副部会長の門博文(かど・ひろふみ)衆議院議員は、明治時代にイギリスまで温州ミカンを売りに行った薩摩人の話を例に挙げ、「TPPへの対応にも、先人の勇気を見習って取り組むべきではないか」と指摘したほか、「戦前、日本で二番目に国宝に指定された経緯のある和歌山城を活用すべきだ」と提言しました。
きょう放送された「2016和歌山県選出国会議員座談会」は、あす午後7時から和歌山放送で再放送されます。