新宮市の新宮港に国内最大級の水産物加工工場が完成し、きょう(20日)、竣工式が行われました。
これは、近畿大学が設立した株式会社食縁(しょくえん)の本社工場で、17億円をかけて建設され、水産物加工や冷凍、真空包装などの最新設備を備えるとともに、製品の輸出拠点となるもので、来年(2016年)1月中旬から本格操業します。これに先立って、この日、竣工式が行われ、関係者や来賓が出席して神事を行い、工場前でテープカットし、完成を祝い、地元住民らを集めて餅まきが行われました。
記者会見した食縁の社長で、近大農学部の有路昌彦(ありじ・まさひこ)准教授は、「この地から日本を経済再生していく。その拠点、第1号として、食縁は設立された。世界に日本のおいしいものを届けていきたい。野心も持っている」と話しました。来賓で、和歌山県選出の世耕弘成(せこう・ひろしげ)参議院議員は、「近畿大学理事長時代にGO(ゴー)サインを出した事業だ。農林水産物の輸出促進、官民ファンド、TPP、地方創生と、いずれも安倍内閣の政策にマッチしており、内閣官房副長官としても注目している。新宮港が食縁をきっかけに食品輸出の集積地になってほしい」と将来に期待を込めました。
食縁では、白浜町にある近大水産試験場が生産したブリの種苗を、提携している国内12の養殖業者で育て、切り身「フィレ」に加工、冷凍・冷蔵して、世界市場へ輸出することにしています。