国の文化審議会は、きょう（１９日）の分科会で、国の史跡・和歌山城に「扇の芝(おうぎのしば)」の一部をさらに追加指定するよう、萩生田文部科学大臣に答申しました。扇の芝の追加指定は、おととし（２０１８年）１０月と去年（２０１９年）１０月に続いて３回目です。
江戸後期の扇の芝（紀伊国名所図会 後編 巻之一）※和歌山県提供
今回指定されたのは、和歌山城南西の扇の芝のうち、県庁前交差点の北東側に面したおよそ７００平方メートルの敷地です。
これらの敷地は、堀が無い芝地であったことから、城の外の見通しを確保し、有事に備えて敵の動きを察知するための空き地を設けたと考えられていて、江戸末期の弘化(こうか)３年（１８４６年）に落雷で消失した天守を再建する際に「御普請所(ごふしんじょ)」として利用されていて、城のメンテナンスヤードの役割を担っていたことが「紀伊国名所図会(きいこく・めいしょずえ)」にも描かれています。
今回の追加指定により、和歌山県内の史跡の件数は２７件に変わりはありません。