「稲むらの火」の逸話で知られる濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)があす、6月15日でちょうど生誕200年となるのを前に、広川町の稲むらの火の館と2つの大学の学生らを結んだオンラインミーティングがきょう(6/14)開かれました。

オンラインで会話する崎(稲むらの火の館で)
これは、きょう、あすと予定されていた梧陵関連の記念イベントが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため相次いで中止となる中、記念イベントの一環として、人と人が接触せずに開催できるオンライン会議システムを使ったミーティングを行ったものです。
ミーティングには、広(ひろ)小学校の6年生を指導して濱口梧陵に関するクイズを作り、稲むらの火の館の来館者に出題する取り組みを行っている関西大学社会安全学部の近藤誠司(こんどう・せいじ)准教授と龍谷大学政策学部の石原凌河(いしはら・りょうが)准教授、それに2人のゼミに所属する2年から4年までのゼミ生15人が、自宅から参加しました。
稲むらの火の館の3階ガイダンスルームでパソコンを前に崎山光一(さきやま・こういち)館長が梧陵について話し、安政の南海地震の津波から村人を救っただけでなく、6000両以上、現在のおよそ19億円の資材を投じて広村堤防を築造し被災者住宅を建設して村人の就労対策を講じたこと、耐久社の設立などの教育の振興や江戸時代末期に江戸で流行したコレラなどの疫病対策に尽力したことを紹介しました。
オンラインで参加した学生は、「コロナ渦の現状で、学ぶべきことは多いと思います。梧陵さんは、堤防を造るなどして災害のあとの村人の生活を守りましたが、いまも新型コロナウイルスの感染対策のあとの生活を守るという局面に来ています。私たちも、梧陵さんが大事にしてきた、未来の人に尽くすという思いを持って取り組むべきだと思います」と話したほか、「梧陵さんの実績を並べてみてあらためてすごい人だと思いましたが、このゼミに入っていなければ、一生知らなかったかもしれないので、もったいない。1人でも多くの人に知ってもらえるよう発信していきたい」と話しました。
稲むらの火の館の崎山館長は、「オンラインミーティングに挑戦できてよかったです。濱口梧陵に関心のある大学生でも、知らないことが多かったので、今後、梧陵さんのことを知ってもらえるようさらに情報発信に取り組んでいきたい」と話していました。稲むらの火の館では、専門家らが多角的な視点でとらえた濱口梧陵論を紹介している「やかただより」を毎月、発行していて、広川町内に全戸配布しているほか、ホームページにも掲載しています。