器物損壊事件に絡んで事情を聴いていた男子中学生の顔面を複数回、たたいたとして和歌山県警察本部はきょう(12/13)、湯浅警察署の32歳の男性巡査長を、特別公務員陵虐の疑いで書類送検するとともに、戒告の懲戒処分としました。男性巡査長は、きょう付で依願退職しています。
県警本部監察課によりますと、男性巡査長は、湯浅警察署の生活安全刑事課に所属していた今年7月24日の午後3時頃、器物損壊事件の現場にいた和歌山県内に住む中学1年の12歳の男子生徒から、屋外で事情を聴いていた際と、その後、湯浅警察署へ向かう捜査車両の中で、少年の頬を数回、平手でたたいたり、口の辺りをわしづかみした疑いがもたれています。
その日の夜、男子生徒の保護者から「息子が刑事さんにたたかれたと言っている」という連絡があり、調べたところ、男性巡査長がたたいたことを認めたため、警察は、一緒に行動していた同僚の警察官からも話を聞いた上で、きょう、巡査長を書類送検するとともに戒告の懲戒処分としました。
聴取に同行した警察官は、巡査長が男子生徒に平手打ちするのを目撃しましたが、「突然のことで止められなかった」と話しているということです。
また、警察の調べに対し、男性巡査長は、「ふてぶてしい態度に腹が立った」と供述し、謝罪や反省の言葉を口にしているということです。
男性巡査長は、不祥事の発覚後、別の部署に異動となっていましたが、きょう、依願退職しています。
県警の徳田太志(とくだ・ふとし)首席監察官は、「警察業務に対する信頼を大きく損ねる行為で、被害者や県民の皆様に深くお詫び申し上げるとともに、再発防止と信頼回復に務めて参ります」とコメントしました。