盲導犬を通して目の不自由な人の世界を学ぼうという授業が、きのう(12/11)、紀の川市の小学校で行われました。
これは、紀の川市の市立名手小学校が総合学習の一環として行ったもので、きのう午後1時から開かれた授業では、小学4年生およそ30人を前に、盲導犬の育成を行っている日本ライトハウス盲導犬訓練所の歩行指導員、赤川芳子(あかがわ・よしこ)さんが話しました。
この中で、赤川さんは、目の不自由な人は全国におよそ31万人いて、このうち、まったく目が見えない人は1割から2割程度で、その他の人は、真っ暗ではなく、さまざまな見え方をしていることを説明し、児童が、特殊なゴーグルをかけて視野の狭い人の見え方を体験していました。
また、赤川さんは、目の不自由な人は、白い杖を使って障害物や曲がり角、段差などを確認しながら歩いたり、盲導犬と一緒に歩いたりしているものの、信号で止まった時に、いつ歩き出せるかがわかりにくいことを説明し、「周りにいる人が声をかけてあげてください」と呼びかけていました。
赤川さんの傍らには、盲導犬の訓練を受け、いまは、講演会などでデモンストレーション犬として活躍している黒い毛の「ポルド」と白い毛の「クラール」の2頭が横たわり、出番が来ると、赤川さんと一緒に歩き、体育館に座った子どもたちの周りを、角で一旦、止りながら一周していました。
授業を受けた4年生は、「盲導犬は、すごい犬だと思いました」「目の見え方に違いがあり、苦労していることを知ったので、目的地を聞いて連れて行ってあげたい」などと話していました。
日本ライトハウスの赤川さんは、「大人に話すのとほぼ同じ内容でしたが、児童の皆さんは、よく聞いてくれました。目が見えづらい人が外出しやすくなるよう心がけてもらえれば」と話していました。