「男はつらいよ」シリーズの50作目となる「男はつらいよ お帰り 寅さん」が年末に封切となるのを前に、全国4ヶ所だけで行われる特別先行上映会が、きょう(11/23)、和歌山市で開かれ、舞台挨拶に立った山田洋次(やまだ・ようじ)監督が800人のファンに語りかけました。
これは、寅さんの世界を通して和歌山でシャッターが閉まったままの商店街が増える現状を考えようと、2013年に結成されたわかやま寅さん会が主催したものです。
和歌山市松江のジストシネマ和歌山で午前と午後の2回にわけて開かれたきょうの特別先行上映会には、70人の高校生を含むあわせておよそ800人の市民が駆けつけました。
このうち、午前の上映会では、映画を観たあと、山田監督が、寅さんについて語る中で、高校生と意見を交わしました。この中で、山田監督は、「君たちは、人に迷惑をかけちゃいけないと言われて育ってきたと思うが、寅さんは、周りに迷惑をかけるのに愛されている。寅さんが許されるのは、大目に見ることができる寛容な社会があるからだ」と話しました。
和歌山工業高校3年の石井星矢(いしい・せいや)さん18歳は、「この映画を観て人と人とのつながりが大切だと実感しました。周りの人に迷惑をかけない程度に寅さんみたいに自分のやりたいことに挑戦したい」と話していました。
主催した、わかやま寅さん会代表の西本三平(にしもと・さんぺい)さん71歳は、「『男はつらいよ』は、人とまちとのかかわりを考えさせてくれる宝箱。今回をきっかけに、今後、49作品の上映会を実現し、人とまちとの関係を考える機会を繰り返し提供していきたい」と意気込んでいました。