不平等条約の改正に力を尽くした和歌山市出身の偉人、陸奥宗光(むつ・むねみつ)の功績や明治時代の日本外交の歩みを紹介する展覧会「外交史料と近代日本のあゆみ」がきょう(11/2)から和歌山市の県立近代美術館で始まりました。
これは、和歌山県と県教育委員会、それに外務省外交史料館が主催するもので、資料館所蔵の史料36点のほか、県立図書館などにある史料や、関連する絵画などの美術資料も加えて、明治時代の日本の歩みを紹介するとともに、不平等条約の改正に力を尽くした和歌山市出身の陸奥宗光の功績を紹介しています。
会場には、日本にとって初めての平等条約であるメキシコとの通商条約に関する調印書や批准書など3つの資料がそろって展示されているほか、陸奥宗光が山形の監獄に収監されていた時に着ていて、のちに当時の気持ちを詠んで6つの漢詩を直筆で書いた着物など、資料館から持ち出されることの少ない貴重な史料が展示されています。
きのう(11/1)の開会式で挨拶した外務省外交史料館の冨塚一彦(とみづか・かずひこ)外交公文書編纂(さん)官は、「今回は、外交史料館以外では、めったに見られない選りすぐりの史料を持ってきました。これほど大規模な展示会は、近畿では初めてで、日本外交の歩みと陸奥宗光の功績を、特に若い世代の皆さんに、現物の史料を通じて理解してもらえる機会になれば」と来場を呼び掛けていました。
この外交史料展はきょうから来(12)月15日まで県立近代美術館で開かれ、今(11)月4日には、和歌山市西高松の県立図書館2階のメディアアートホールで、「近代日本を取り巻言っていた世界情勢」と題した記念シンポジウムが開かれます。入場は無料で、当日の参加も可能です。
また、県立近代美術館では、日本とチェコの交流100周年を記念した特別展「ミュシャと日本、日本とオルリク」もきょうから来(12)月15日まで同時開催されます。