絵本を通して、子どもの自殺予防に取り組んでいる東京都多摩市の絵本作家、夢ら丘実果(むらおか・みか)さんが、きょう(19日)和歌山市で読み聞かせの会を開き、子どもたちに命の大切さを訴えました。
夢ら丘さんは、ホシガラスの「カーくん」が悩みを打ち明けたり、友人の鳥たちから自分の良い所を教えてもらうことで元気をとり戻す絵本「カーくんと森のなかまたち」を製作し、全国の小学校や児童養護施設で700回以上の読み聞かせを行っています。
きょう午後2時から、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれた読み聞かせの会は、「NPO法人震災から命を守る会」が主催したもので、和歌山市の児童養護施設「旭学園」と「虎伏学園」の子どもたちおよそ20人が参加しました。
夢ら丘さんは、絵本を読み聞かせした後、自身も小学生の時、持病のことを周囲に話せずにいじめに遭った経験を話し、「命は一人1個ずつあるかけがえのないもの。みんな一人ひとりに必ずある良い所を見つけて、嫌なことがあったら誰かに相談してください」と語りかけました。
厚生労働省の人口動態統計によりますと、和歌山県内の去年(2018年)の自殺者は197人で、人口10万人あたりの自殺死亡率が全国でワースト1位になりました。