和歌山県の仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事は、先月(11月)の知事選挙の争点のひとつとなった、カジノを含む統合型リゾート・IR誘致の是非に関連して、和歌山への誘致に反対する意見に対し「県内経済発展や人口減少対策への投資をやめてもいいのか」と反論しました。
きょう(13日)開かれた12月定例県議会の本会議で、共産党県議団の奥村規子(おくむら・のりこ)議員が先の知事選挙の受け止めについて質問し、県が進めている和歌山マリーナシティへのIR誘致に反対を訴えた仁坂知事の対立候補が、和歌山・田辺・新宮(しんぐう)・上富田(かみとんだ)など6つの市と町で4年前(2014年)の前回より得票を伸ばしたことや、マスコミの世論調査ではIR誘致に反対する意見が賛成を上回っている現状を指摘しました。
これに対し仁坂知事は「カジノに賛成か反対かと賭け事が嫌いな人に問えば、嫌いと答える人は多いだろう。しかし、同じ人にその分経済発展や人口減少の歯止めを掛ける機会を失うが、それでも良いかと聞けば、それは困ると答える人が多いと思う」と反論しました。
その上で仁坂知事は、作家の養老孟司(ようろう・たけし)氏の著書の一節を引き合いに出し「『これは反対、あれは問題と言いまくるけれども、不都合が起これば誰かにお任せという態度が日本を悪くする』と書かれていたが、私は和歌山の将来実現可能なトータルな青写真を県民に示し承認されたと考えている」と答え、今後も、依存症対策や県民への説明に力を入れる考えを改めて示しました。
このほか、きょうの一般質問では、自民党県議団の堀龍雄(ほり・たつお)議員が産学官連携の農作物の高温障害対策などについて、自民党県議団の中村裕一(なかむら・ゆういち)議員が、農林水産物の輸出戦略などについて、それに自民党県議団の井出益弘(いで・ますひろ)議員が紀の川流域の水害対策について、それぞれ県当局の考えをただしました。
県議会の一般質問はきょうで終了し、あす(14日)からは常任委員会での審議に移ります。そして18日と19日に再び本会議が開かれ、委員長報告や討論・採決などを行う予定です。
お聞きの和歌山放送では、きょうの県議会・一般質問のもようを、午後9時半から録音ダイジェストでお伝えします。