田辺市内の飲食店で、とりの刺し身などを食べた3人が食中毒とわかり、田辺保健所は、食事を提供した店をきょう(5/2)から3日間の営業停止処分としました。処分を受けたのは、田辺市湊の「とり焼き 鳥絆(とき)」で、この飲食店では、今年1月にも、同じとりの刺し身を食べた客が食中毒になったばかりです。
田辺保健所によりますと、この店で先月(4月)21日に食事をした女性と、22日に食事をした男女のあわせて3人が、腹痛や下痢などの食中毒症状を訴えていると、24日に保健所に連絡がありました。
3人のうち、男性は、入院して治療を受けていて、カンピロバクターによる食中毒と診断されました。
田辺保健所は、3人に共通する食事が、とりの刺し身やとりの鉄板焼きなど、この店のメニューだけだったことから、店での食事が、食中毒の原因と断定し、「とり焼き 鳥絆(とき)」をきょうから3日間の営業停止処分としました。
この店は、今年1月にも、加熱用のとり肉を生の刺し身として提供し、客がカンピロバクターによる食中毒になり、田辺保健所から指導を受けたばかりでした。
食品衛生法では、とりの生肉の提供を自粛するよう飲食店に対し、求めていますが、提供を禁止していないため、県食品生活衛生課では、今回も指導するだけですが、口頭ではなく、文書で行うということです。
カンピロバクターは、ニワトリやウシ、ブタなどの腸管内に存在し、ほかの食中毒菌に比べて少量でも食中毒を起こすという特徴があり、生肉や加熱不足の肉を食べることで、食中毒を発生させる危険性が高くなるとされています。
潜伏期間は、1日から7日と長く、感染してから数週間後に手足や顔面の麻痺のほか、呼吸困難を引き起こすギラン・バレー症候群を発症することもあります。