和歌山県はJAグループと連携して、この秋(2015年)出荷されるみかんから、糖度をより厳しく選別する「厳選みかん」制度をスタートし、きょう(17日)田辺市で収穫された温州(うんしゅう)みかんが、初めて京阪神方面に出荷されました。
和歌山県は11年連続で生産量日本一を誇る一方で、価格は1キロあたり208円と、静岡や愛媛を下回る全国6位にとどまっています。
県では、この秋から県内のJAグループと連携して、みかんの付加価値を高め、価格の上昇をはかろうと、JAの選果場16カ所などに設置された最新式の光糖度センサーで糖度をはかり、基準を満たしたものを厳選みかんとして出荷します。
糖度の基準は9月に収穫されたものが9度以上、10月は10度以上、それ以降は11度以上で、基準以下のみかんについては、ジュースなどの加工用として出荷する場合、県とJAが1キロあたり30円を助成します。
きょう午前、田辺市下三栖(しもみす)のJA紀南選果場では、市内で収穫された極早生(ごくわせ)みかん「日南の姫(ひなのひめ)」の初選果が行われ、光センサーで糖度ごとに仕分けられたみかんが箱詰めされ、京阪神方面に出荷されました。
選果場のコンピューター室には糖度ごとの選別個数が画面で表示され、きょうは全体のおよそ1割程度が厳選みかんの基準を満たしていました。
県とJAでは、制度開始からしばらくは、箱に厳選みかんを示すチラシを入れることにしていて、遅くとも来年(2016年)までには、厳選みかんマークを箱に表示して出荷する予定です。
JAグループ和歌山・果樹園芸部の蔵道徳生(くらみち・とくお)部長は「今後、量販店や消費者に対して、和歌山産厳選みかんの制度をアピールしたい」と話しています。
温州みかんはこれから来年2月上旬ごろにかけて、ポンカンなどの晩柑類(ばんかんるい)は、12月上旬から来年4月上旬ごろにかけて出荷時期を迎えます。