博物学者・南方熊楠がライフワークとして取り組んだ「菌類図譜」の一部が新たに確認され、きょう(12/19)から、東京・上野の国立科学博物館で開催の展覧会「南方熊楠~100年早かった智の人~」であわせて36点が初公開されています。
新たに確認された図譜は、ヒダナシタケのグループの記述が多く、カラフルなイラストや英文の説明とともに採集したものの一部が標本として貼り付けられていました。
熊楠はイギリスから帰国した1900年から亡くなる前年の1940年ごろまで暮らしていた田辺市などで菌類の採集を続け、図譜を作成しました。国立科学博物館では熊楠が記した3000種以上の菌類の図譜を以前から所蔵していて、近年、関係者が保管していた図譜の筆跡や記述スタイルから新たに熊楠の図譜、およそ870種類分を確認しました。一部は博物館のウェブサイトでも公開することにしています。
国立科学博物館の菌類・藻類研究グループ長の細矢剛(ほそや・つよし)さんは「新種が含まれる可能性も0ではないだろう。自然史の世界ではこれだけ多岐にわたるコレクションを持っていた収集家として現在でも代表的な存在だ」と話しています。
展覧会「南方熊楠~100年早かった智の人~」は、来年3月4日まで、東京上野の国立科学博物館で開かれています。
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