大規模な自然災害に特化した訓練施設が全国の消防学校ではじめて設置された和歌山県消防学校で、きょう(29日)から、現役の消防士が自然災害への対応を学ぶ8日間の研修が始まりました。
県消防学校は、ことし(2017年)4月に、和歌山市加太に移転・新築され土砂災害や水害、家屋の倒壊などを想定した実践的な訓練ができる施設が併設されています。今回の研修は、施設を活用して南海トラフ巨大地震などの大規模な災害に備えようと行われているもので、県内17の消防本部に所属する34歳から53歳までの消防士31人が参加しています。
きょう午前、県・消防学校で入校式が行われ、森本修司(もりもと・しゅうじ)校長が「近年、紀伊半島大水害をはじめ、全国で地震や台風などの大きな災害が頻発している。実践的な訓練を通して救助のスキルアップを図ってほしい」と挨拶し、御坊市消防本部の瀬戸良昭(せと・よしあき)消防司令53歳が、学生として勉学に励むことを宣誓しました。
プログラムは、きょうから8日間の日程で、さまざまな災害を想定した訓練のほか、土木や建築の専門家を招いた座学を通して自然災害への対応や救助方法などを学びます。
県消防学校の辻井雅俊(つじい・まさとし)教務主任は「参加者には研修で身に着けた知識や技術をそれぞれの消防本部に持ち帰り、住民の安心安全を守るための工夫に繋げてほしい」と話していました。県消防学校ではこの研修を今後、年に1回行うことにしています。