和歌山県が、観光や食品加工分野などで交流している、インド・マハラシュトラ州の首相ら総勢100人が高野山を訪れ、きょう(10日)、高野山大学に設置されたインド憲法の父、「アンベードカル博士」の銅像の除幕式にのぞみました。

アンベードカル博士の記念碑(2015年9月10日・高野山大学で)
和歌山県とマハラシュトラ州はおととし、相互経済関係促進の覚書を締結するなど交流を深めています。こうした友好関係のシンボルとして、マハラシュトラ州出身のインド憲法の起草者、仏教復興運動を始めたことでも知られる「アンベードカル博士」の銅像が、仏教の聖地である高野山に設置されました。きょうの除幕式は、マハラシュトラ州の首相や、駐日インド大使らあわせて100人が出席して行われ、出席した仁坂吉伸和歌山県知事は「インド憲法の父であるアンベードカル博士の銅像建立の地として高野山は最適です。これから交流がますます深まることを願います」と歓迎の言葉を述べ、ファドナヴィス首相も「今日は歴史的な日です。和歌山県の協力に感謝し今後も友好を深めたい」と挨拶しました。このあと、記念碑の除幕が行われ、出席者が、紅白のロープを引き、参加した両国の関係者から大きな拍手が起こりました。
記念碑は、左脇にインド憲法書を抱え、人差し指を立てた右手を空に向かって掲げる、高さおよそ2メートルの博士の銅像で、人は教育を受ければ誰もが向上できると、差別をなくすための演説を行っている様子を表しています。
また、この記念碑の設置にあわせて、高野山大学の藤田光寛(ふじた・こうかん)学長と、アンベードカル博士ゆかりのババサヘブ・アンベードカル・マラサワダ大学のチョパデ・バル・アナンダ副学長が、両校の交流を促進する趣意書を交わし、今後、学生や仏教研究者の交流などを進めていくということです。