万葉の景勝地・和歌の浦で、かがり火の中、能や狂言を鑑賞する「和歌の浦万葉薪能」が昨夜(10/9)行われ、およそ1000人が幽玄な世界を堪能しました。
この薪能は、地元住民らでつくる和歌の浦万葉薪能の会が、和歌山市の片男波公園・特設ステージで毎年、開いているもので、今年で18回目でした。
今年の薪能では、観世流能楽師の小林慶三(こばやし・けいぞう)さんが「井筒(いづつ)」という仕舞を披露したあと、大蔵流の狂言「萩大名(はぎだいみょう)」が演じられ、大名(だいみょう)と太郎冠者(たろうかじゃ)の軽妙なやり取りに、観客席からは笑いが絶えませんでした。

仕舞「井筒」を演じる小林氏
そして、観世流の能楽「恋重荷(こいのおもに)」が上演され、美しい女性に恋をしてしまった老人の悲哀を描き、観客を惹きつけていました。

ワークショップの成果を披露する中学生
また、きのうのステージでは、観世流能楽師の小林さんが7月からワークショップで指導してきた小中学生らも、この3か月間の稽古の成果を発揮して謡(うたい)や仕舞(しまい)を披露し、観客から盛んな拍手を受けていました。