10月に入り、秋祭りが盛んになってきましたが、きょう(9日)は、海南市内の神社では、獅子舞(ししまい)や泣き相撲、みかん祭りが行われました。
海南市藤白(ふじしろ)にある藤白神社では、午前8時前、拝殿で、獅子舞保存会のメンバーら関係者が出席して、神事が行われたあと、雨の中、「獅子舞」が奉納されました。
この獅子舞は、鎌倉時代の建仁(けんにん)元年(1201年)、後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)の熊野御幸(くまのごこう)に際し、旅情を慰めるために演じられたのが始まりとされ、県の無形民俗文化財に指定されています。
この日も、穴からはい出した獅子と天狗(てんぐ)が戯(たわむ)れるさまを保存会のメンバーが笛や太鼓にあわせて演じ、このあと市内へと繰り出していきました。
海南市下津町市坪(いちつぼ)の山路王子(やまじおうじ)神社では、午後2時から、子どもの背中に土を付け、無病息災を願う「奉納花相撲」が行われました。
これは、徳川時代の中ごろから続くとされ、裸に赤いふんどし姿の乳児や幼児の男の子が土俵に上げられ、嫌がって泣きわめく中、相撲を取らされるもので、泣き相撲と呼ばれ、県の無形民俗文化財になっています。
大勢の見物客が見守る中、花相撲保存会のメンバーによって、次々と取り組みが行われ、抱え上げられたり、土俵に倒されるたび、子どもの泣き声とともに、歓声や笑い声がわき上がっていました。
また、海南市下津町橘本(きつもと)の橘本神社では、午後から、みかんの豊作と商売繁盛を願う「みかん祭り」が行われました。
この地は、およそ2千年前に、みかんの原種の「橘」が植えられたことから、みかん発祥の地といわれ、神社には、みかんと菓子の神様、田道間守命(たぢまもりのみこと)が祀られています。
この日は、境内に、収穫されたばかりの早生(わせ)みかんやお菓子が供えられ、獅子舞や餅まきが行われ、にぎわいました。