ことし(2016年)に入って、管内での特殊詐欺の被害が急増していることを受けて、和歌山東警察署は、きょう(7日)特殊詐欺への注意を呼びかけるパトロール活動の出発式を行いました。
和歌山東警察署管内の特殊詐欺の被害は先月(8月)末時点であわせて10件、総額5400万円あまりにのぼっています。これは、去年(2015年)の同じ時期よりも6件多く、総額も5100万円以上多くなっていて、すでに去年1年間の被害額を大きく上回っています。被害の内訳は、送付型が4件、総額4300万円で最も多く、直接手渡しさせる手交(しゅこう)型が3件、還付金詐欺2件を含む振り込み型が3件となっています。
和歌山東警察署ではこれを緊急事態ととらえ、今月から年末まで、「ATMで還付金は全て詐欺!」などと特殊詐欺の手口が書かれたマグネットシートが貼られたパトカーで管内をパトロールし、特殊詐欺への注意の呼びかけを強化することになりました。
きょう午前10時から行われたパトロールの出発式で、和歌山東警察署の榎本祥一(えのもと・しょういち)署長が「パトカーに貼った言葉をできるだけ多くの住民に見てもらい、特殊詐欺への防犯意識が高まるようきめ細かいパトロール活動をしましょう」と挨拶しました。このあと、地域課の警察官10人がパトカー5台に分乗し、パトロールに出発しました。
警察によりますと、詐欺の手口の中でも特に、コンビニから宅配で現金を送らせる送付型が1回の被害額が高額になる傾向があるということです。ほかにも、息子や家族、警察官や弁護士、市役所の関係者を名乗る手口や、現金をATMから振り込ませたり、自宅で直接手渡しさせる手口が多いということです。
和歌山東警察署ではパトロールのほか、老人会に出向いたり交番の広報誌などを利用して「不審な電話や身に覚えのない高額な請求があった場合は、騙される前に家族や警察に相談してほしい」と呼びかけています。