和歌山県内の国立病院で起きた医療事故に関する情報公開請求に対して、独立行政法人・国立病院機構が開示した文書は、患者の個人情報など、黒塗りした部分が透けて読める状態だったことが分かりました。
黒塗りの部分には、患者の病名など個人情報が書かれていて、国立病院機構は「再発防止に努めたい」とコメントを出しました。
問題になった文書は、和歌山県内の国立病院で起きた医療事故に関するものです。請求に対し、機構は、2つの病院の「報告書」あわせておよそ80ページを開示し、この中で、患者の病名や、医師と患者のやりとりなど、個人情報などとして黒塗りされていたおよそ1400か所すべてが透けて見えていました。
国立病院機構によりますと、文書はワープロソフトで作成され、そのソフトの機能を使って、黒塗り処理がされていましたが、元の文字は消えておらず、印刷すると文字が透けて見える状態でした。文書は、作成した病院が黒塗りして、機構本部にデータで送り、本部で印刷し、確認した上で、請求者に交付されます。文字が透けていないかは、本部の職員がチェックしますが、気がつかなかったということです。
機構は「大変遺憾だ。確認を徹底し、再発防止に努めたい」とコメントを出しました。また、機構は、他の請求についても、透けた文書を開示していた可能性があるが、「他に外部からの指摘はない」としています。国立病院機構は、全国143の国立病院を一体運営しています。