神戸市に本部のある第五管区海上保安本部が、きょう(4日)和歌山港沖で、救難・テロ対策の訓練を行い、海上で漂流する人をヘリで救助したり、テロリストの身柄を確保する実戦さながらの訓練が繰り広げられました。
神戸市に本部がある第五管区海上保安本部は、和歌山から兵庫、大阪、徳島、高知などの区域と沿岸水域を管轄し、ほぼ日本の国土面積と同じ水域の治安維持や海上交通、それに海難救助を担当しています。今回の訓練は、尖閣諸島などの警備があったことから第五管区海上保安本部としては4年ぶりに実施されたもので、和歌山海上保安部所属の巡視船「きい」など巡視船5隻、ヘリコプター1機が参加しました。
一般市民らおよそ530人が巡視船に乗り込み、海上での訓練を見学するなか、はじめに海上で漂流している人をヘリコプターで吊り上げる訓練が披露されました。
続いて、先月の伊勢志摩サミットで実際に出動し、警備に当たった「きい」所属の高速複合型ゴムボート2隻を使ったテロ対策訓練が行われ、海上保安官が「テロリスト」に扮し、「ドクロ」マークを船体に付けて不審船に見立てた巡視艇を追跡して確保するという想定で行われました。
警告を受けて不審船が発砲し、巡視船「びざん」が応戦した後、高速ゴムボート2隻が不審船に接舷して「テロリスト」たちの身柄を確保するという、実戦さながらの訓練が展開されると、見学者から大きな拍手が湧いていました。