イノシシやシカ、サルなどの野生動物による農作物への被害を防ぐため、専門的な知識を持ったアドバイザーを育成する今年度(2016年度)の研修が、きょう(26日)から始まりました。
これは、和歌山県が2006年度に創設した制度で、わなの整備や防護柵の設置などをアドバイスする「農作物鳥獣害対策アドバイザー」を育成し、県の長年の課題となっている鳥獣害対策をより効果的に進めようというもので、これまでに、県や市町村、JAの職員など、鳥獣害に関係する158人がアドバイザーに認定されています。
きょう午後2時から、和歌山市茶屋ノ丁(ちゃやのちょう)の県・自治会館で開かれた1回目の研修には、受講生の男女23人が出席し、県・鳥獣害対策室の職員から県内の農作物の被害状況や、鳥獣保護と狩猟の適正化に関する法律などについて講義を受けました。
研修はこれから11月まで毎月1回のペースで開かれ、参加者はアライグマやシカの対策や、わな免許の講習、電気柵の設置方法などを実地研修を交えて学びます。
参加したJA紀の里(きのさと)・打田(うちた)支所の職員は、「イノシシやアライグマによる食害が問題です。研修を活かしたい」と話していました。
県・鳥獣害対策室によりますと、県内の農作物の被害額は、この10年間で2億円前後で推移していて、平尾佳史(ひらお・よしふみ)室長は「個体数が減らない一方で、狩猟者の高齢化もあり、捕獲従事者の育成が重要だ」と話しています。