厚生労働省・和歌山労働局は、あす(29日)からの大型連休を前に、県内34の貸し切りバス会社が加盟する公益社団法人・和歌山県バス協会に対して、運転手の労働時間や健康状態の管理を徹底するよう要請しました。
ことし(2016年)1月、長野県軽井沢町(かるいざわまち)の国道でスキー客を乗せた貸し切りバスが転落事故を起こし、運転手や大学生を含む15人が死亡し、26が重軽傷を負ったことを受け、厚生労働省が、ことし2月と3月に全国の労働基準監督署を通じて、ツアーバスを運行している貸し切りバス会社に緊急の集中監督指導を行った結果、県内では労働基準関係法令に違反する事案が3件見つかりました。
違反の内訳は運転手の勤務時間や日数を台帳に記載していないのが2件、運転手が健康診断で異常がみられたのに産業医へ報告を怠っていたのが1件でした。
きょう午前10時半、和歌山市黒田(くろだ)の和歌山労働局で、中原正裕(なかはら・まさひろ)局長が県・バス協会の井上慎治(いのうえ・しんじ)会長に運転手の労働時間や健康管理などを徹底し、安全の確保に努めるよう求める要請書を手渡しました。
井上会長は「安全安心無しにバス事業は成り立たない。労働時間や健康管理は継続的に行うことが大事。要請を受けてからすることではない」と話しています。
中原労働局長は「軽井沢の事故を教訓に、交通労働災害の防止を重点課題として取り組む」と話しています。