毎年春恒例の電車の中でイチゴ狩りを楽しめる催しが、きょう(15日)和歌山電鐵貴志川線で開かれ、沿線のお年寄りが乗車しました。
和歌山電鐵では、沿線名物のイチゴ狩りをアピールしようと、「いちご電車」の車内にプランターを設置して地元の子どもにイチゴ狩りを楽しんでもらう催しを毎年この時季に行っていますが、10周年となることし(2016年)は、初めて、沿線の養護老人ホームやケアハウスを利用する70歳から98歳までのお年寄り15人を招待して、和歌山駅から貴志駅まで運行しました。
午前11時前に和歌山駅を出発した列車内には「貴志川観光いちご狩り協会」が育てた「まりひめ」や「かおり野」などのプランターが置かれ、お年寄りたちは、早速、真っ赤に実ったイチゴを摘み取って味わっていました。
今回最高齢の向井吉子(むかい・よしこ)さん98歳は「貴志川線とほぼ同い年ですが、乗るのは初めて。イチゴはとても甘くて美味しいです」と笑顔で話していました。
途中、車内で向井さんが車掌にお礼の花束を贈呈して参加者が拍手を贈る一幕もあり、車内は温かい雰囲気に包まれました。
列車に同乗した「貴志川線の未来を”つくる”会」の奥山和夫(おくやま・かずお)事務局長は「貴志川線の今後10年の存続が決まったが、沿線住民にもっと乗ってもらえるよう、さらに努力が必要です」と話していました。