和歌山県はきょう(3/2)、周囲の景観を損ねるとして、所有者に何度も撤去するよう求めてきた那智勝浦町の空き家について、行政代執行の措置を執り撤去作業を始めました。

県職員が行政代執行の開始を宣言

代執行の対象となった住宅
那智勝浦町勝浦の木造2階建て住宅は、建築されてから50年以上が経過しているとみられ、外壁は腐食してツタが生い茂るなどしています。県は、景観上に支障があるとして4年前、住民からの要請を受け、空き家対策を目的とした和歌山県の条例を初めて適用して所有者に対し、撤去するか改修するよう指導勧告しました。そして去年9月には命令も出しましたが応じないため、きょうの代執行となったものです。

壁を外して出入り口を確保
きょうは、午前9時に県東牟婁振興局の職員が、代執行の開始を通告したあと、県職員や運送業者らおよそ30人が、敷地周辺にバリケードを設置して建物の出入り口を確保し、テレビや冷蔵庫などの動産を運び出しました。

冷蔵庫などの動産を運び出す
住宅の解体撤去は、あす以降に行われる予定で、県は、代執行に要した費用を、後日、所有者に請求することにしています。
老朽化を理由に建物などを撤去するケースはありますが、景観を理由にするのは、全国的にも珍しいということです。