和歌山県は、改正鳥獣保護法が施行されてから全国で初めて、おととい(15日)の夜、田辺市中辺路町(なかへちちょう)の山中で銃による狩猟を行いメスのシカ1頭を捕獲したことを明らかにしました。
県によりますと、夜間の銃による狩猟は、狩猟免許のほかに環境省の技能認定を受けた地元の猟友会のメンバー3人が、田辺市中辺路町水上(みずかみ)の山中で、事前に餌付けをした場所へシカをおびき寄せ、夜間の射撃で仕留めたということです。
仕留められたのは体長およそ90センチのメスのニホンジカで、県は、古座川町の食肉処理加工施設で食肉処理をします。
今回狩猟を行ったメンバー3人は、銃で50メートル先の直径5センチの的を5発連続で打ち抜くなどの環境省が定めた厳しい認定基準をクリアしています。
和歌山県では、農作物を荒らすシカの生育数を減らすために、年間で1万6千頭を捕獲する必要があり、改正鳥獣保護法で夜間の狩猟が解禁されたことから、人里から離れた山中などに限って認めました。
今後は、水上地区のほか、すさみ町や古座川町の山中でも行う予定です。
林野庁によりますと、鳥獣による農作物の被害は、昨年度(2014年度)全国でおよそ191億円にのぼり、このうちシカによる被害は、和歌山県ではおよそ4450万円と、全国19番目となっています。