和歌山県は、高野(こうや)・熊野(くまの)の世界遺産に、闘鶏(とうけい)神社や黒河道(くろこみち)など県内22の史跡を追加するよう、政府を通じてユネスコに提案することになりました。
追加登録の対象となったのは、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」のうち、熊野古道の中辺路(なかへち)と大辺路(おおへち)、高野参詣道(こうやさんけいみち)に含まれるあわせて22か所の史跡で、11・1ヘクタール、40・1キロメートルに及びます。
この中には、田辺市の闘鶏神社や北郡越(ほくそぎごえ)、赤木越(あかぎごえ)、上富田町(かみとんだちょう)の八上王子跡(やがみおうじあと)や稲葉根王子跡(いなばねおうじあと)、白浜町(しらはまちょう)の富田坂(とんだざか)、串本町(くしもとちょう)の新田平見道(にったひらみみち)、橋本市・九度山町(くどやまちょう)・高野町にまたがる黒河道や、かつらぎ町の三谷坂(みたにざか)などが含まれていて、追加が認められると、県内の自治体で世界遺産を有する県内の自治体は8から11に増え、橋本市・上富田町・串本町では初めてとなります。
県では、2004年7月の世界遺産登録以降も、より完全な形に近づけるよう史跡指定を進めたり、文化庁や有識者から意見を聞くなどして追加提案の準備を進めてきました。
県・文化遺産課の水上勇人(みずかみ・はやと)課長は「承認されれば本来の資産の完全性がより高まり、新たに世界遺産に加わる自治体の誇りにもなる」と意義を強調し、観光部局と連携して発信の強化に務める考えを示しました。
政府は、今後、県からの追加提案の書類を、来月(2月)1日までにユネスコ世界遺産センターに提出し、その後、書類はイコモスへ送付され、7月10日からトルコのイスタンブールで開かれる、第40回世界遺産委員会で審議されます。