古式捕鯨発祥の地・太地町の森浦湾に小型鯨類が観察できる海上遊歩道がオープンし、実質的にオープン初日となったきょう(7/2)、訪れた人たちがクジラを観て「すごい」と歓声を上げていました。
これは、鯨類を中心とした研究と観光の拠点化を目指す太地町の「森浦湾くじらの海」計画の一環で、およそ28ヘクタールの湾の一部を網で仕切り網に沿って長さ160メートル、幅2メートルの遊歩道を浮かべています。
観察しやすいよう遊歩道脇に作ったいけすには、4頭のバンドウイルカが飼育されているほか、仕切られた湾の中には、ハナゴンドウ4頭とバンドウイルカ1頭のあわせて最大で5頭のクジラが放たれています。
この施設は、きのう供用を開始しましたが、天候が悪く、一般開放されなかったため、きょうが実質的にオープン初日となりました。
きょうは、3頭のハナゴンドウが湾内に放たれ、泳ぎ回りながら時折、海面に姿を見せ、ジャンプする姿もみられました。
那智勝浦町から訪れた家族連れは、「すごく感動しました。来てよかった。また来ます」と話していました。
施設は、午前9時から午後5時まで無料で利用できるほか、有料でシーカヤックも利用でき、海面に姿を見せるクジラを間近で楽しめます。
今後は、遊歩道を延長したり、休憩所を整備することにしていて、将来的には、50頭から100頭のクジラを湾内で放し飼いにし、クジラが集団で生活する様子や繁殖の状況などを観察できるようにして一般に開放するとともに、研究を進めていく方針です。
太地町の三軒一高(さんげん・かずたか)町長は、「世界中の研究者が一度は訪れてみたいという町にしたい」と話しました。