漆器づくりで有名な海南市(かいなんし)の黒江(くろえ)地区で使われている方言をデザインしたグッズが、海南市観光協会のアンテナショップなどで販売されています。

「黒江ことばグッズ」をPRする黒岩正和さん(7月2日・海南市物産観光センター)
グッズは、手ぬぐいと豆辞典、それにマスキングテープの3種類で、それぞれに、黒江地区でよく話されている方言「黒江ことば」と、イメージしたイラストがデザインされています。

「黒江ことば豆辞典」の中身
「来て下さい」というの意味の「おいなあ」や、「このあたり」というの意味の「ここたい」といったポピュラーなものから、相づちや同意を示す丁寧な語尾表現「のし」や、「ありったけ」という意味の「ありしこ」といった、いまでは話す人が少なくなった希少なことばも収められています。
グッズを企画したのは、和歌山市出身の写真家で、去年(2019年)からは海南市観光協会の広報も担当している黒岩正和(くろいわ・まさかず)さん37歳です。黒岩さんは、高校卒業後、京都でおよそ20年暮らし、妻の出産を機に和歌山へ戻りました。
去年7月から海南市観光協会に勤め、黒江地区の漆器職人や商店主などの写真集を作成した際に交わされた黒江ことばに興味を持ったことが、グッズ製作のきっかけとなりました。
黒岩さんは「黒江ことばは職人気質の少々荒っぽい響きが特徴ですが、こちらから懐に飛び込んで行けば、相手もしっかり受け入れてくれる人情の深さもあらわしています。グッズを通じて職人街・黒江のこころを伝えたい」と話しています。

「黒江ことばグッズ」3点
黒江ことばグッズは、手ぬぐいが税込み750円、豆辞典が税込み680円、マスキングテープが税込み380円で、JR海南駅内のアンテナショップ「かいぶつくん」などで販売されているほか、ネットショップでの通信販売も行われています。