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「紀州のドン・ファン」遺言無効訴訟で初弁論(写真付)

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「紀州のドン・ファン」と呼ばれた田辺市の資産家で、おととし(2018年)5月に急性覚醒剤中毒で死亡した男性の「全財産を市に寄付する」とした遺言書について、男性の兄ら4人が無効確認を求めて提訴し、きょう(6/8)、初めての口頭弁論が和歌山地方裁判所で開かれました。

田辺市の酒類販売会社の社長を務めていた野崎幸助(のざき・こうすけ)さん当時77歳は、おととし5月に急性覚醒剤中毒で死亡しましたが、その後「全財産を田辺市に寄付する」という遺言書の存在がわかり、田辺市が、13億5千万円とされる資産の寄付を受けるための準備を進めています。

こうした中、野崎さんの兄ら4人の親族が、和歌山家庭裁判所田辺支部から遺言(いごん)執行者に選任された弁護士を相手取り、遺言書の無効を求めてことし4月に提訴しました。

訴状などによりますと、原告側は、「野崎さんが田辺市に全財産を遺贈する合理的な動機がみあたらない」とした上で、「遺言書は、白の無地の紙に赤色のサインペンで走り書きされたもので、公正証書を扱う業務に精通していた野崎さんが、そうではない方法で遺言を残すことは考え難い」と指摘しています。

また、遺言書は、2013年2月に書かれ、野崎さんが社長を務めていた会社の元幹部に送付されたとされている点について、原告側は、「遺言書の入っていた封筒は、2013年の12月に初めて作成されたもので、2月の段階で送付するのは不可能」と指摘し、会社での野崎さんの実印や印鑑証明書の管理はずさんで、当時、会社内に立ち入れるものであれば、誰でも使用することができたとしています。

これに対し、被告の弁護士は、請求を棄却するよう求める答弁書を裁判所に提出していて、きょう開かれた口頭弁論では、今後、被告側として、田辺市が補助参加することになりました。

裁判所前で取材に応じる原告弁護団

初弁論の後、原告代理人の渥美陽子(あつみ・ようこ)弁護士は、報道陣の取材に応じ、「遺族は、あまりにも遺言の内容や保管状況が不自然であることを総合的に考慮して提訴しました。さまざまな不自然な状況や筆跡などから遺言書は、偽造された可能性が高く、今後、無効であることを主張していく」と話しました。

一方、被告の遺言(いごん)執行者、北山武志(きたやま・たけし)弁護士は、「私は、遺言(いごん)執行者として、現時点では、遺言が有効であるものと考えていて、答弁では、棄却を求めています。しかし、実質的な争いは、原告と、遺言によって遺贈を受ける田辺市との間で行われると考えています。今後は、原則的には、田辺市が被告としての主張を展開することになると思うので、双方の主張を見守りたい」と話しました。

次回は、7月14日に弁論の準備が行われます。

亡くなった野崎さんは、ヨーロッパの伝説に残るプレーボーイになぞらえて生前、女性関係や半生をつづった著書「紀州のドン・ファン」を出版していました。

また、野崎さんの死について、和歌山県警察本部が、不審死として捜査を続けています。


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