「日本の棚田百選」の一つ、有田川町の「あらぎ島(じま)」で田植えが終わり、新緑に囲まれた水田が鏡のように美しく映えるシーズンを迎えています。
あらぎ島は、蛇行する有田川(ありだがわ)に周囲を囲まれた全国的に珍しい扇形の棚田で、四季折々に美しい景観を見せるとして、国の重要文化的景観にも選ばれています。また、河岸段丘という地形を生かし、大小54枚、あわせておよそ2・4ヘクタールの水田があり、6軒の農家が共同で稲作を行っています。
1655年に、地元の庄屋だった笠松左太夫(かさまつ・さたゆう)が、有田川の支流から水路を引いて開発し、古文書から開発年代が特定できる貴重な棚田で、大水害で崩壊の危機に瀕したこともありましたが、住民によって復興され、現在につながっています。