台風シーズンを前に、那智勝浦町は、避難所での住民の密集を避けるため、旅館やホテルなどの宿泊施設を避難先として活用する事業を導入すると発表しました。宿泊費として、避難者1人当たり、1泊5千円を宿泊施設に支払い、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐことに役立てます。
那智勝浦町の堀順一郎(ほり・じゅんいちろう)町長は、「新型コロナの影響で客が激減し、台風で避難情報が出るとキャンセルも増える」と指摘した上で、「空き室の活用は、町民の安全確保と観光産業への支援にもつながる」と述べ、この事業のメリットを強調しました。
町によりますと、町内の10か所前後の施設と提携を結ぶ予定で、住民が提携先を避難場所として利用した際、町が1人1泊5千円の宿泊費を支払います。これらの延べ600人分、300万円の予算案が6月議会に提出されます。密集回避のため、体育館などの避難所で使うテントなどの購入費も盛り込まれています。
住民が、町内の宿泊施設で使えるプレミアム宿泊食事券8千円分を3千円で販売するための費用も計上し、さらに、税収減少が見込まれるとして、今年度中の町長の給与を50%減額することも発表しました。