「梅の日」のきょう(6日)、海南市の酒造メーカー・中野BCで、梅酒の初仕込みが行われ、酒蔵がフルーティーな香りに包まれました。
6月6日は、戦国時代の梅にまつわる故事に由来して、「紀州梅の会」が「梅の日」と定めていて、中野BCではこの日にあわせて梅酒の初仕込みを行っています。
きょう午前、海南市藤白の本社工場に、みなべ町を中心とする農家から、きのう(5日)から今朝(6月)にかけて収穫されたばかりの南高梅およそ8トン・20万粒が運び込まれ、水洗いしてアクや汚れを落としたあと、社員が高さ4・2メートル、直径2・6メートルの巨大なタンクに流し入れていきました。
タンクにはアルコールと砂糖、そして水が入っていて、定期的に液体を攪拌(かくはん)して梅のエキスを抽出しながらおよそ半年後に梅の実を取り出し、さらに9か月以上熟成させると、梅酒の原酒が出来上がります。
梅酒杜氏(うめしゅとうじ)の山本佳昭(やまもと・よしあき)さんは「ことしは暖冬で花が咲くのが早く心配しましたが、順調に生育して2L以上の大粒が揃いほっとしています。木になっていた期間が長くエキスをしっかり蓄えているので、梅独特の酸っぱさの強い梅酒に仕上がると期待しています。『頑張れニッポン』という思いを込めて作りたい」と話していました。
仕込み作業は今後1カ月続き、県内で収穫された200トンから300トンの梅を30基のタンクで漬け込む予定です。中野BCでは、熟成前に取り出し12月に出荷する新酒「梅酒ヌーボー」をはじめ、40種類以上の梅酒に加工して国内外に出荷します。