45年前の1975年に小児がんのため、3才で亡くなった妹への献血協力のお礼にと、印南町の男性がきのう(21日)、和歌山県赤十字血液センターに献血運搬車を贈りました。
寄贈したのは、印南町の肥料販売会社社長の岡本宏之(おかもと・ひろゆき)さん55歳です。
岡本さんの妹、幸美(ゆきみ)さんは、血液型がおよそ500人に1人と言われるくらい少ない、A型のRhマイナスでした。
小児がんの治療には、鮮度の高い血液の輸血が必要なため、同じ血液型の人たちに病院へ来てもらい、輸血治療を行いましたが、1975年に3才で亡くなりました。
この治療で多くの人に協力してもらった恩返しに岡本さんの父、崇(たかし)さんは、これまでに6台の献血運搬車を寄贈しましたが、去年2月に亡くなりました。
このため、その遺志を息子の宏之さんが継ぎ、今回の寄贈に至りました。
きのう(21日)、上富田町の赤十字血液センター紀南出張所で行われた贈呈式では、「幸美号Ⅶ(なな)」と名付けられた車が寄贈されました。
寄贈した岡本殖産株式会社代表取締役社長の岡本宏之(おかもと・ひろゆき)さんと寄贈を受けた和歌山県赤十字血液センター所長で医学博士の住友伸一(すみとも・しんいち)さん
宏之さんは、「幸美号が血の尊さをつないでいってくれたら、これに勝る喜びはありません。今後も支援を続けたいです。」と話していました。
寄贈された献血運搬車は、紀南地方を中心に活動するということです。
寄贈された「幸美号Ⅶ」