和歌山市北部の直川(のうがわ)と府中(ふちゅう)の山沿いに大規模太陽光発電施設・メガソーラーの建設が計画されていることについて、付近の5つの地区の連合自治会が、きょう(26日)和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長に建設反対を求める要望書を提出しました。
反対の要望書を提出したのは、和歌山市の紀伊・直川・有功(いさお)・川永(かわなが)・山口(やまぐち)の5つの地区の連合自治会長です。
ことし(2019年)9月19日、和歌山市と東京・世田谷区に拠点を置く「紀州自然電源合同会社」が、和歌山市長に直川と府中の山沿いの土地73・83ヘクタールにメガソーラーを建設する申請書を提出しました。あわせて地元の各連合自治会長にも申請書や建設予定地の地図の写しなどが送付されました。
しかし、建設に伴う樹木の伐採で治水能力の低化や環境破壊、豪雨による土石流などが懸念されるとして、きょう、5つの連合自治会長が連名で尾花市長に建設反対の要望書を提出しました。
紀伊地区連合自治会の湯川充(ゆかわ・みつる)会長は「この地区の山林は昔から土砂崩れが多く、近年の豪雨災害を見ていると安全が保たれるとは考えにくい」と話しています。
これに対し尾花市長は「和歌山市の条例では地元の同意が大きな条項として含まれている。現時点で皆さんの反対が大きいということは、同意がないものとみなされる」と述べ、今後、住民の意向を大きな要素に含め、専門的な見地も加えて慎重に審査する考えを示しました。
和歌山市の直川・府中地区では、2016年に東京のTKMデベロップメントが、山林およそ132ヘクタールにメガソーラーの建設を県に申請していましたが、ことし8月に事業廃止を県に通知しています。