和歌山県から海外へ移住した移民の子孫でつくる世界各地の和歌山県人会と日本国内の県人会のメンバーが一堂に会する世界大会が、きょう(11/24)、和歌山市で開かれました。
この「和歌山県人会世界大会」は、海外や和歌山県外に住む県人会の人たちにふるさとへの誇りを高めてもらうとともに、県民との交流を通して、移民の歴史に対する県民の理解を深めようと、県が初めて主催したものです。
きょう午後4時から和歌山市の県民文化会館大ホールで開かれた式典には、アルゼンチンやブラジル、カナダやペルーなど海外8ヶ国・11団体から280人、東京や東海など国内の県人会からおよそ270人、さらに和歌山県民をあわせて2000人が出席しました。
式典では、主催者を代表して和歌山県の仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事が挨拶し、「三方を海に囲まれた和歌山県民は、海の外の世界を常に意識して生活し、海外へ出た皆さんは、苦労して今日の地位を築き、立派に生活されています。今回の交流を通じて、全世界で和歌山県民のエネルギーを発揮していただきたい」と呼びかけました。
このあと、それぞれの県人会の代表に対し、これまでの活動をたたえて、仁坂知事から顕彰の盾が贈られました。
そして県人会を代表してブラジル県人会の谷口(たにぐち)・ジョゼ・眞一郎(しんいちろう)会長が、「戦争のつらい時期を経て、いまは日系の二世、三世が県人会の運営にかかわっています。これからも和歌山県とのつながりを末永く守っていきたい」と語りました。
そして、式典の最後に、メキシコ県人会の寺本(てらもと)トシオさんとパラグアイ県人会のアヤカ・ビクトリアさんが大会宣言を読み上げ、同じふるさとを持つ県人会のつながりを発展させ、次の世代へ継承していくことを誓いました。
引き続き行われた式典の第2部では、田辺市出身の合気道の開祖、植芝盛平(うえしば・もりへい)翁(おう)の紹介や、合気道の演武が披露されたほか、中南米在住の日本人会と交流がある元「ザ・ブーム」のボーカル、宮沢和史(みやざわ・かずふみ)さんが、星林高校吹奏楽部や和歌山児童合唱団とともにステージを繰り広げました。
ステージを前にインタビューに応じた宮沢さんは、「日本人は、あまり日系移民のことを知らないし、日本の教育でも学びませんが、日系の人たちから学ぶことはたくさんあります。今回の大会が、子どもたちが海外で活躍する日本人を知るきっかけになれば」と話していました。
また、これに先立って、県民文化会館近くにあるホテルアバローム紀の国では、紀州てまりづくりや、平安衣装の着用などを体験できる9つのブースが設置され、各地の県人会のメンバーが楽しんでいました。
在京和歌山県人会の谷口博昭(たにぐち・ひろあき)会長は、「これまでもふるさとを愛し、ふるさとへの思いを一つにしてやってきましたが、これを機に、一層、交流を深めながら、ふるさと和歌山に貢献できれば」と話していました。